夏休み明けは不登校が増える時期でもあります。

実際、当センターへのご相談数も毎年夏休み明けが一番多くなりますし、文部科学省のデータとしても夏休み明けの不登校の増加は記されています。

令和3年10月に文部科学省から出された資料(以下添付資料)では、小学6年生と中学2年生を対象(約22,000人)に実施された調査によると、夏休み明けに「全く学校に行っていない」「ほどんど学校に行っていない」と回答した児童生徒は、小中学生ともに約4割ほどでした。

「ほとんど毎日学校に行っている」と答えた児童生徒は小中学生ともに約2割ほどでした。

つまり、それ以外の4割の児童生徒は週に何日か学校をお休みしているということになります。

これらの結果を見ても、子ども達は夏休み明け学校に行き難い状態になっているというのは明白ではないかと思われます。

文部科学省「不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書」

目次

みなさん、こんにちは。スージー先生です😊

支援の現場では、夏休み明けに不登校が増えるということは昔から知られている話ではありますが、世間一般となると話は違ってきます。

夏休み明けの今に子どもが「学校に行きたくない・・・」と言ってきたときにどう親御さんが対応していくのかなどまとめてみました💡

長期休み明けはお休みが増える時期

夏休みだけでなく、長期のお休みがあるとその次の登校に対して面倒くさいという気持ちや、しんどいなと感じることはよくあるものです。

私たち大人でも連休明けに「あー、仕事行きたくないなー」などと思うことはあるでしょう。

それは子ども達も同じだということです

そのお休みが1ヵ月もあれば嬉しい反面、より学校や仕事にも「行きたくないな」などと感じてしまうことはそう珍しくありません。

不登校支援の現場でも、夏休み明けに登校が不安定になりそのまま不登校状態に陥るというケースは非常に多いです。
それだけ多くの子ども達が長期休み明けの登校に対して不安に感じているとも受け取れます。

夏休み明けに子どもが「学校行きたくない」などと言うと親としては「どうして?」「1学期は普通に行けていたじゃない。」などと思い、子どもの気持ちが理解できないと感じられることも多いようです。
ただ、私たち大人も子どもの頃は休み明けに「行きたくないな」とふと頭によぎることもあったと思います。
今でも「会社に行きたくないな」などと思うこともあるでしょうから、その辺りは何ら不思議ではないということはお伝えしておきたいところです。

不安に感じている子どもに寄り添う

長期間お休みがあるとこれまで通っていた学校のシステムや雰囲気などを忘れてしまうということはよくあります。

思い出そうと思っても月日が経っているのでなかなか鮮明に思い出せないという状況になると、不安に感じてしまうお子さんも多いのは事実です。夏休みのような長期休みを経験したからと言って学校のシステムやお友達などを完全に忘れることはありませんが、「どうだったかな?」と思うだけでも不安にはなりますよね😫💦

そういった子ども達の気持ちには親としても寄り添ってあげたいところです🌼

「学校行きたくない」と言う子どもに対してよくある親御さんの対応は・・・

親御さんA
何言ってるの?そんなこと言ってないでちゃんと勉強しなさい❗
親御さんB
そんなこと言っても学校は休めないからね❗

等と頭から子どもの発言を否定してしまうことです。

頭から自分の発言を否定された子どもは、次第に親御さんに対して「自分のことは分かってくれない」などと思うようになり親子関係に亀裂が生じる可能性は高まります。
「学校にちゃんと行って欲しい」という親御さんのお気持ちはよくわかりますが、ここで焦って頭ごなしに子どもを叱るような対応は避けておきたいところです。

子どもなりに不安に感じていることを親御さんがしっかり受け止めてあげると、それだけで子どもは安心することもあります

「学校行きたくない」と子どもが言ってきたときは、「そんな時もあるよね。」や「お母さんもそう思うことがあったよ。」などと共感してあげると子どもが不安に感じていることを素直に話してくることもあるでしょう

“子どもの話をしっかり聴くよ”という姿勢を親として示しておくだけでも、子どもは何かあった時に頼れる人がいるんだと安心するものです。
そういう関係を家庭内で築いていけるといいですよね👍✨

不安に対してどうしていくのかを考える

子どもの気持ちを受け止めてあげ、共感してあげることにより子どもからどういったことが不安に感じているのか・心配なのかという具体的な部分が見えてくることもあります。
一見子どもが漠然と「不安だ」「怖い」「心配だ」と思っていることも、よくよく話を聴いてみると気になるポイントはあることが多いです。
そこを聴くことが出来れば次のステップに進みましょう💡

不安や心配事をそのままにしておいても、それらが少なくなることはありませんし、そのままにしておくことによって不安が増してくるということは私たち大人も経験したことがありますよね😅

不安に感じていることをすべて取り除くことはハッキリ言って出来ません。
しかし、その今感じている不安を少なくすることは出来るかもしれません。

今感じている不安が子どもにとって抱えきれないぐらいのものなのであれば、一つ一つ整理をして“どうしていけばその不安が少なくなるのか”を考えていくといいでしょう。

子ども達によって不安に感じるポイントは違いますし、どう対処したら不安が少なくなるのかというポイントも違います。
子どもから話を聞いて親御さんがアドバイスしてあげるのが悪いわけではありませんが、親の意見や考え方を子どもに押し付けてしまうような対応は避けておきたいですね。

子ども自身が「どうしたらいいかな?」と考えていくそのプロセスが大事であると考えます。

家庭内で考えるプロセスを経験していくと、親御さんが居ない学校や社会でも自然に子どもが考えることが出来ます。
上手くいく・いかないはやってみないと分からない部分ですが、上手くいかなければまた「どうしたらいいかな?」「どうしたらよかったんだろう?」と考えてブラッシュアップしていけるとよいでしょう。

時には親のサポートも必要

「どうしたらいいか?」を考えて行く時に、子どもだけでは答えが出せないこともあります。
自分なりの答えを導き出せる子どもであればある程度任せておいてもいいと思いますが、答えが出せずに困っているのであれば親御さんのサポートがあってもいいと思います。

その際は、前述したように「親の価値観や考えを子どもに押し付けないように」という部分は気を付けて対応できるとよいでしょう。
「お母さんはこう思うわ」や「お母さんだったらこうするかな」というような言い方にしておくと、子どもに対して強制している対応は避けられると思います。
あくまでも親御さんの意見として伝えて、それを受けてどうするのかという部分に関しては子ども自身に決定させていけるとよいでしょう。

親は子どもよりも経験値が格段に上ですので、物事を先読みする力を身に付けています。
しかし、子どもは経験値が低い為に先読みすることが苦手な部分もあります。
これは仕方ないところなのですが、どうしても大人になった私たちはそれをすっかり忘れてしまい、忘れたまま子どもに対応してしまうことが多いのです。
経験があれば「こうした方がいいだろう」や「これは嫌だけどやっておいた方がいいな」という判断もできますが、子どもは難しいということは覚えておいてください。

その上で、そういった思考に子どもがなれるように経験値を増やしてあげるというのは大事なポイントとなってくるでしょう。
失敗も成功もすべての経験が子ども達の糧になります。
ここまでにも書いたように「どうしたらいいのか?」を子どもと一緒に考えてサポートしてあげましょう

親ができるサポートとは

最後にどのようなサポートが親御さんとして出来るのか具体例を挙げておきますね

みなさんのご家庭でも取り入れられそうなものは参考にしていただければと思います。

朝起きのサポート

夏休み中、生活リズムがズレてしまっているお子さんは少なくありません。

お子さんの中には、登校時間を把握していないお子さんも多いものです。

まず親子間で登校の朝の時間の確認(何時に起きた方がいいのか)をしていきたいですね。

その際に、何時に家を出たら遅刻になるというリミットの時間まで一緒に確認しておくと、親子ともに不必要に焦ることもないと思います

翌日の持ち物チェック

登校の朝にバタバタと準備をするのは時間も限られていますし、持ち物が見つからなかった場合に子どもから「学校行けない」という話になってしまうこともあります。

前日の段階で翌日の学校の準備が整えられるとよいでしょう。

朝は水筒などその日でないと準備ができない物だけにしておくと安心ですね😊

学校に休んでいて持ち物が分からないという場合もあると思いますので、その際は親御さんから学校に連絡をして確認するという流れもしてあげたいところです。

登校優先のサポート

親御さんとしてはお子さんの朝の様子を見ているとアレコレ言いたくなることも多いと思います。

例えば・・・

「もう少し早く準備したら?」

「ご飯食べないと冷めるわよ。」

「それが必要なら昨日のうちにしておけばよかったじゃない!」

などなど。挙げればキリがありません。(笑)

ただ、それらの声掛け一つでお子さんが「学校行かない!」となってしまうことは実際多いです。

また、朝は親御さん側も時間がないことが多いですし、親子間で話をしている間に遅刻になってしまった・・・なんて流れは本末転倒でしょう💦

登校の朝に関してはアレコレ言いたくなったとしても、今言う必要があるのか?という部分は考えていただけるとよいでしょう。

学校から帰ってきて落ち着いたタイミングで話した方がいいなという場合も多いですから、急ぎの用がない場合は登校の朝はなるべく言わないようにしておきたいですね。