GWが明け、なんとなく「やる気が出ない…」という状態になりやすい5月…
子どもも新しい環境に少しずつ慣れ、新年度が始まった当初と比べると、緊張感ややる気が薄れていくことも多いです
目次
みなさんこんにちは!りーぼ先生です
今回は、子どものやる気について心理学的に考えていきたいと思います
心理学から見るやる気
心理学において、「やる気」は「動機付け」という言い方をされることが多いです。
「動機付け」は、「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2つに分けられます
・外発的動機づけ
外部からの要因(他者からの評価や賞賛、ご褒美や罰など)によって生まれる動機付け。
外部から得られるポジティブな要因だけでなく、評価や罰への恐れの気持ちなども要因となることが特徴です。
もともと同期の無い子に対して動機を持たせることができることもあります。
例:叱られたくないから勉強をする。おもちゃを買ってもらうためにお手伝いをする。
・内発的動機づけ
内面的な要因(興味や好奇心、楽しさ、達成感、有能感など)によって生まれる動機付け。
自分で気付く・発見するという体験が子ども達に主体性を養うことができます。
子ども自身が好奇心を持つことを尊重する対応になり、親が答えを提示するよりも子どもに「なぜ?」「どうして?」を考える機会を持つ対応にも繋がります。
例:自分の将来のために勉強をする。新しいことにチャレンジしたくてお手伝いをする。
結局どっちがいいの?
このような分け方をすると、「外発的動機付けはダメ」というイメージを持たれやすいですが、これは一概に言えるものでもありません🙅♀️
例えば社会人でも、「上司に認められたいから」「給料が欲しいから」「昇進したいから」などの理由がきっかけで仕事を頑張るようになるのは、決して悪いことではありませんよね😊
子どもでも同じことで、外発的動機付けによってきっかけを与えてあげることも時には効果的です✨
とはいえ、長期的に見ると「外発的動機付け」では「やらされ感」が強くなりやすく、長続きしない傾向があります。
例えば「親が見ていなければ一切勉強しない」「おもちゃが買ってもらえないならお手伝いしない」というのもよく見られるパターンですね😅
また、次第に子どももその状況に慣れていくので、「叱られてもいいからやらない」「もっと高いおもちゃ買ってくれないとやる気にならない」など効果が薄れていく可能性は大いに考えられます💦
その点、「内発的動機付け」の方がやる気が長続きしやすいのは確かです。
そのため、子どもが継続して何かに取り組めるようになるには、「親がいかに外発的動機付けを行うか」よりも、「子ども自身がいかに内発的動機付けを行うか」というところがポイントになります。
内発的動機づけに必要な3つの要素
内発的動機付けを考える上でカギになるのは、以下の3つであると言われています。
🔶 自律性
誰かに指示されて動くのではなく、自分自身で考えた規範に従って行動すること。
🔶 有能性
自分ならできる、自分には能力があると感じること。
🔶 関係性
周囲とより良い関係を築くこと。
これらに対する欲求が高まることで、内発的動機付けが促進されると言われます。
つまり、子どもの中にあるこれらの欲求が高まれば、やる気を持って主体的に物事に取り組むことができるということです👍✨
内発的動機づけを引き出す親の対応
では、そのために親はどう子どもと関わるべきでしょうか?
4点まとめておきました。
①子ども自身に考えさせる
親が考えて命令・指示・提案するよりも、本人に考えさせることを意識しましょう💡
自分で選んだことや自分で決めたことは、内発的動機付けに繋がります。
例え親の意見として子どもに伝えていても、結果的に初めから親が子どもに答えを提示している状態が続くと、子どもは次第に自ら考えるということをしなくなります。
時には失敗を繰り返しながら、「もっとこうしたい」「もっとこうありたい」という感情が子どもの中に生まれてくる過程を、本人に経験させてあげることも大事です。
もちろん、子ども自身が考えても答えが出ない時は、親御さんが教えてあげるという流れでいいと思います😊
②信じて見守る
子どもが自分自身で「自分なら大丈夫」「頑張ればできる」と思えると、内発的動機付けが高まりやすいです。
そのためには、まずは「あなたはできない」というメッセージを親から発信しないことが必要です❗
「だからあなたはダメなのよ」など言葉で直接伝えるわけでなくとも、知らず知らずのうちに子どもにそういったメッセージが受け取られてしまっている、ということがあります😱💦
例えば子どもが何かしようとしたときに、「それをするより、こうした方がいいよ」と親が毎回ストップをかければ、子どもは「自分の考えはダメなんだ」と思うようになるでしょう。
そうならないよう、まずは信じて見守る姿勢を心がけてみましょう🌷
③できていないことを非難するよりも、できたことを認める
②にも通じる話ですが、子どもの「できないこと」「できなかったこと」に注目するよりも、「できること」「できたこと」をしっかり見てあげましょう😄
例えば100点満点のテストで子どもが20点を取ったとき、親は”できなかった80点の部分”を指摘しがちですが、”できた20点の部分”を見てあげることも大事です👍
その上で、「こういう問題はしっかり解けているね」など子どもに伝えてあげるのも良いでしょう。
④子どものやる気を削ぐ対応を避ける
親は子どもの「やる気スイッチを押す」ことよりも、「やる気なくさせスイッチを押さない」ことを意識しておけると良いでしょう。
親からの一言(特に否定的な言葉かけ)で子どもがやる気を失う、というのはよくあるパターンです🥹
また、子どもはやる気スイッチよりもやる気なくさせスイッチの方が多いものです。
親が注意したり叱ったりというような「外発的動機付け」は、あくまで一時的な効果に過ぎず、何度も行っているとその効果が薄れていきます😱
そして、「内発的動機付け」の過程で意図せず「外発的動機付け」をされると、内発的動機付けが阻害されるという話もあります。
長期的な目線で子どもの自立心を行うためには、「子どもの内発的動機付けを阻害しない」ことを意識しておきましょう💡
まとめ
これまでお伝えしたように、子どものやる気を持続させるためには「外発的動機づけ」よりも「内発的動機づけ」の方がいいとされています。
また、本来子どもというのは様々な物に興味を持ち、「知りたい」という欲求を持っているものです。
私たち親はその子ども達それぞれが感じる興味や知的好奇心を阻害しないようにしなければいけません。
多くの親御さんは子ども達の「やる気スイッチ」を探していますし、某塾のCMで「やる気スイッチ」というワードは流行りました。
しかし、子どもの「やる気スイッチ」を親が押すということは難しく、自ら押すのを待ってあげる方がいいですし、何より「やる気なくさせスイッチ」の方が圧倒的に多いということは覚えておいてください。
などと言われると親御さんもカチン💥とくると思いますので、そこから親子喧嘩になってしまうというケースも少なくありません😡
基本的には「内発的動機づけ」の方が持続しやすいということですが、そもそもやる気が子ども側にまったくない時には「内発的動機づけ」を待つだけでは時間がかかって仕方ないということもあります。
そのような場合は、親御さんからの「外発的動機づけ」によって動き出すこともあるでしょう。
大事なのは、「外発的動機づけ」で子どもが動いたとしてもそれを少しずつで構わないので「内発的動機づけ」に変換していってあげると、継続という点から見てもいいのではないかと思われます。