新1年生になるお子さんがいらっしゃるご家庭では、お子さんが小学校という新しい環境・新しいお友達にワクワクし、また同じぐらい不安や緊張も感じている事でしょう。
その気持ちは子どもだけでなく親御さんも同じだったりします。
そして、「楽しく元気に学校に通ってくれれば・・・」そう思うのが親心と言ったところでしょうか。
目次
こんにちは。スージー先生です🌷
今回は「小学1年生が4・5月に抱えやすい悩みや不安に対する家庭の対応」についてお話します。
お子さんが小学校に入学して間もないご家庭では、
などと心配になりやすいものでしょう。
小学1年生のお子さんが抱えやすい問題
小学1年生のお子さんが抱えやすい問題については、様々なものが挙げられますが、その中でも当センターによくご相談いただく内容としては以下の内容が多いです。
① 母子登校
② 行き渋り
当センターは不登校や家庭教育の専門家ですので、その点に関するご相談が非常に多いと思います。
特にこの時期は小学校低学年のお子さんをお持ちの親御さんからご相談が多く、どの親御さんも真剣に悩まれています。
ご相談いただくご家庭を分析していくと、ある問題点が見えてきます。
支援の中から見える問題点
母子登校や行き渋りの問題に至る「きっかけ」は様々です。
お子さんの性格傾向も違えば、置かれている環境も異なりますので「きっかけ」含めてまったく同じ状況であるということはありません。
ただ、似ているケースというのはありますし、分析していく中である問題点が見えてきます。
今回はその中でも多い問題点について3つ挙げたいと思います。
1.保育園や幼稚園と学校との環境のギャップ
環境の違いに戸惑う子どもは少なくありません。
生徒数も違えば、その生徒を見てくれる先生の数も違います。
圧倒的に保育園や幼稚園の方が先生方のサポートは手厚いですし、何かあっても助けてくれるような環境が整っているように思います。
幼稚園や保育園では、保育者である先生が子ども達の仲裁に入ることや、子どもの気持ちを汲んで対応していただくことが多いでしょう。
しかし、学校生活となると担任の先生1人が一度に40人程をみなくてはならず、手が回らない場面も多いかもしれません。
また、授業スタイルも学校では導入されますので、1時間約45分程度をじっと座っているということも辛く感じるお子さんも少なくありません。
移動教室やテストなど学校ならではのシステムに戸惑うお子さんも多いと思います。
少しずつで構いませんのでどう慣れていくかというのがポイントとなるでしょう。
2.子どもの性格傾向
学校では、集団で行動することが求められます。
その際にある程度自分の感情や衝動を抑えなければいけない場面(我慢力)や、自分の意見を相手にどう上手く伝えるかという場面(意思伝達能力)などが出てきます。
これらが備わっていないお子さんは、お友達からも白い目で見られることもあるでしょうし、酷いケースではいじめに発展してしまうことも想定されます。
また、上記でも挙げたように学校の先生が常に1人のお子さんに付き添ってくれるなんてことは基本無いでしょう。
そんな時にお子さんが何か困ったことがあった場合、自身で解決をする(問題解決能力)か、誰かを頼る(コミュニケーション能力)必要があります。
このように、学校生活の中では様々な能力を求められます。
とはいえ、まだ年齢的にこれらの能力が完璧に備わっているかといわれるとそうでないことの方が自然です。
これからどうお子さんがこれらの能力を身に付けさせていけるかというのが大事になってきます。
当センターにご相談いただくご家庭を分析していくと、子どもが困った時に直ぐに親御さんが助けてあげているケースや、お子さんが困る前に親御さんが先回りをしてサポートしているケースが多く見受けられます。
このように、親御さんが過干渉・過保護な対応を日常的にしていると、お子さんは自分で考えて行動するという経験が極端に減ってしまいます。
学校生活では困った時に直ぐに助けてくれる親御さんはいません。
つまり、お子さん自身が自分で考えて問題を解決する必要があるのです。
その能力を家庭で培えるような環境作りが重要となるでしょう。
3.家庭と学校との環境のギャップ
家庭では自由に過ごせることも多いですが、学校では集団生活になるためにある程度きまりがあったり、子どもが我慢をしなければいけないこともあります。
家庭と学校との環境に差があることは自然だと思いますが、その差があまりにも大きくギャップに感じてしまうぐらいとなるのであれば要注意ではないかと思われます。
当センターにご相談いただくご家庭では、この家庭と学校との環境のギャップに子ども達が無意識レベルでしんどく感じてしまっていることも多いのです。
「なんか違うな」「おかしいな」という感覚が増えてくると、子ども達は不安や恐怖に感じることもあります。
特に低学年のお子さんはこれらの感覚が何故起きるのかという点が理解できないことも多いので、親御さんが子どもに「どうして学校行きたくないの?」などと聞いても理由が出てこないということもあります。
そのような場合、結果としてお子さんが「学校嫌だ」「学校行きたくない」というような発言に至ってしまうことも珍しくありません。
なるべく家庭でも学校生活と環境を同じにしてあげると、子どもも戸惑うことが少なくなります。
その結果、学校生活にもすぐに溶け込むこともできるでしょう。
家庭でできる対策とは
1.保育園や幼稚園と学校との環境のギャップ
近年では、幼保小連携されている地域も増えてきましたので、事前に小学校に見学に行くような場合もありますし、幼稚園や保育園側が対策を講じてくださっていることもあります。
ただ、そのようなサポートが手厚い地域や幼稚園・保育園に通っていればいいのですが、そうでないご家庭も少なくありません。
そういった場合は、ご家庭で子どもが年長さんになってくると、小学校の生活を教えてあげる時間を作ってあげた方がよいでしょうね。
小学校ではこういうことをするんだよというのを親御さんから話すのも大事ですが、子どもがよりイメージしやすいように写真や絵本など(今はこういった便利なグッズもあるのがいいですよね✨)を活用いただくと親御さんの負担も少なくなるのではないかと思います😊
恐怖や不安を煽るような言い方は逆効果になることもありますので、気を付けてくださいね💡
できれば楽しいことをイメージさせながら、お兄さん・お姉さんになるんだよと子ども達に意識をさせながら、小学校に向けての練習を進めていけるといいかと思います🌷
2.子どもの性格傾向
学校生活では困った時に直ぐに助けてくれる親御さんはいません。
つまり、お子さん自身が自分で考えて問題を解決する必要があるのです。
その能力を家庭で培えるような環境作りが必重要となるでしょう。
ポイントとしては、
🔶子どもに起きた問題に関しては、一旦子どもに考えさせる
🔶子どもが困った時に、自分の口でお願いしてくるのか様子をみる
🔶子どもが困る前に親御さんが先回りをしてサポートしない
などが挙げられます。
始めから親御さんが正解を提示するのではなく、まずは子ども自身がどうすべきなのか考え行動させてみましょう✨
もしかすると子どもが選んだ行動は、親御さんからすると明らかに失敗する未来が見えているかもしれません。
ですが、子どもはまだその失敗する経験すら少ないのです。
子どもが選んだ行動の結果(失敗なのか、成功なのか)を見せてあげましょう。
失敗した場合は改めてどうすべきか考えていきましょう。
その際に子どもが「もう嫌だ!」などと投げやりになっているのであれば、お母さんが良き相談者となり子どものサポートをしてあげると良いと思います
また、子どもに考えさせてみても答えが出てこないこともあるでしょう。
その場合は「お母さんだったらこうするよ。」などと親としての意見を伝えてみると良いでしょう😊
あくまでも「こうしたらいいよ。」や「こうしなさい。」という指示や命令ではなく、親としての意見を伝えるという所がポイントです💡
子ども自身が自分以外の人の意見を聞くことで、その起きた問題に対しての解決策の幅が広がります。
お母さんの意見を聞いた際は、自分の考えとお母さんの考えになりますね。
こうやって子どもは少しずつ問題を解決する方法を知っていくのです。
3.家庭と学校との環境のギャップ
では、どのような場面で学校生活と環境を同じにすることが出来るのでしょうか?
✅時計を見て生活する意識を持たせる
✅食事はワンプレートで
✅子どもが食べた食器は自分でシンクまで運ばせる
✅物の置く位置を決める
✅子ども自身に準備させる
などが挙げられます。
✅時計を見て生活する意識を持たせる
学校ではどの教室にも時計があり、子ども達も時間を把握しながら動きます。
家庭でもなるべく時間を意識させるようなサポートをしてあげましょう。
家族で出かける際にお母さんから「〇時に出発するからね。」や「〇時に晩御飯よ。」などと時間を意識できるような声掛けが出来ます。
しかし、多くの子どもはまだ時計の読み方がわからない子もいますので、そこは子どもが分かる範囲に変換してあげると良いでしょう。
例えば「時計の長い針が12のところに来たら出発するわよ。」などでしょう。
✅食事はワンプレートで
学校の給食はワンプレートですが、家庭での食事は大皿盛りのことが多いです。
大皿盛りだと子どもが好きな物だけを選んで取ることができますが、学校ではそうはいきません。
家庭で子どもが苦手な物を避けて食べていると、親御さんが無理矢理口に入れて食べさせるなんて場面もあるようです。
しかし、そのやり方ですと親御さんも大変ですし、子ども側も更にその食べ物が嫌いになってしまうこともあります。
ワンプレート制にしておくと、子どもがどうするのか考える機会が生まれます。
そのまま黙って残すのか、親御さんに一言謝って残すのか、それとも我慢して食べる選択を取るのか・・・。
どれを選ぶのかは子ども次第ではありますが、親御さんが無理に子どもに強要するという流れも避けられるでしょう。
もし、子どもが黙って残す場合は親御さんの悲しい気持ちを伝えてみても良いでしょう。
「黙って残されるとお母さん悲しいな。🥹」
「せっかくお母さんも一生懸命作ったご飯だから、残されるとショックだわ。🥹」
などと伝えてみましょう。
✅子どもが食べた食器は自分でシンクまで運ばせる
学校の給食では、基本的に子ども達は一列に並んで給食当番がご飯や主食・副菜などを取り分けてくれる食事を受け取ります。
そして食事が終わると自分で食器を下げます。
しかし、家では食器を下げるのは全て親御さんというご家庭は結構あります。
学校では自分のことは自分でする指導になっていますので、ご家庭でも同じように自分で運ぶことが当たり前ぐらいにできると良いですね👍
ただ、毎回の食事で親御さんから「食器下げてよ!」などと言われると子ども側もうんざりしてしまいますし、言ってる親御さん側だってうんざりですよね😫
「食器を下げてくれるとお母さんの手間が省けて助かる。」などと親御さんの気持ちを伝えながら子どもが頑張れるのか見ていけるとよいでしょう。
✅物の置く位置を決める
学校ではロッカーが一人一つずつあり、ランドセルや上靴など置く位置がある程度決まっています。
家庭でも子どもの持ち物の場所をある程度決めておいた方がどこに片づけたかな?と迷うことも少なくなるのではと思います。
ただし、細かく決め過ぎると子どもにとっては負担になることもあります。
全てをラベリングするような位置決めではなく、学校の教科書類はココぐらいにしておくと子どもも楽ですし親御さんも気持ちが楽になるでしょう。
位置決めをする際にも、親御さんだけで決めるよりも子どもと一緒に相談しながら決められると、子どもも自発的に動きやすいかと思います。
✅子ども自身に準備させる
学校に通うと、それまでの保育園や幼稚園と違い自分で準備しなければいけない物が格段に増えます。
親御さんが全ての準備物を子どもの代わりに用意してあげたとしても、どこに何があるのか子どもが把握できず学校で困ってしまうこともあります。
学校生活でも子どもが困らないように、自分の持ち物は自分で準備させていきたいものですね。
しかし、これまで保育園や幼稚園で自ら身支度をしていた子どもは準備することに対してすぐに出来るかもしれませんが、したことがない子どもにとっては準備の仕方すらも分かりません。
各教科の準備物も細かく決まっていますし、そもそも時間割の見方が分からない可能性も考えられます。
子どもが知らないこと・やったことがないことに関しては、親御さんのサポートが必要です。
子どもが慣れるまでは親御さんがサポートしながら一緒に学校の準備をしてあげると良いでしょう。
準備をする時間をある程度決めておくと、子どももその時間になれば動き出すかもしれません。
親御さんのサポートも始めは手厚く丁寧に教え、その後徐々に子どもに任せる部分を増やしていくと自然と親がいなくてもできる状況が作れるでしょう。
いつまでも親のサポートがないと準備ができないという状況だけは避けておきたいところですね。
まとめ
急に全てを家庭で取り入れるのは難しいと感じる方もいると思いますので、少しずつ「ウチでも出来そうだな!」と思う部分を実践していただければと思います。
親である私たち大人は当たり前にできることも、子どもからするとやり方すら知らない初めてのことだったりします。
親の対応として必要な干渉・過干渉の見極め方はそこがポイントとなるでしょう。
初めてのことは丁寧に教えてあげる必要がありますが、そのサポートも徐々に減らしていき、いつかは必要ない状態にしていけるといいと思います。
親御さんがべったりと子どもに寄り添わないと何もできない子に育てるのではなく、目指すべきところは親がいない状況下でも子どもが何とか自分で乗り越えられる力を身につけられるよう育てていきたいですね👍
小学1年生のお子さんをお持ちの親御さんはまだまだ先だと思われるかもしれませんが、いずれ子ども達は親元離れて暮らす(一人暮らしなど)可能性が高いでしょう。
その際に急に自分でしなさいという流れになっても出来ないものだったりします。
親御さんがサポートできる距離に子どもが居てくれる今のうちに、少しずつ子ども達が将来困らないような力を培えるような環境を家庭で整えていけるといいですよね✨
ご家庭で自然にできることは、きっと外でもできると思いますから親御さんも安心して子ども達を見守ることができるのではないかと思われます😊💕