不登校に悩む親御さんにとって、インターネットや書籍などで不登校の解決法や原因を調べるということはされたことがあるでしょう。

当センターにご相談される親御さんも、様々な書籍や親御さんのブログ、そしてネット情報からたどり着いたとおっしゃる方は多いです。

それらの情報から“不登校の原因は親である”というようなことが書かれてあることもあり、親御さんとしても心痛む内容だったとお話しくださった方もいらっしゃいました。

目次

不登校の原因が親であるという話ではない

ペアレンツキャンプでは、ブランドステートメントにも書いてありますように

スージー先生
親が学べば子は伸びる。親が変われば子も変わる。

というスローガンを掲げて支援を展開しています。

この言葉を見た時に、「不登校は親が問題なのか?」などとネガティブな捉え方をしてしまう方もいらっしゃるようです。

しかし、私たちは決して不登校の原因が親御さんであると捉えたことはありません。

大事なことなのでもう一度言いますね。

不登校の原因が親であるとは思っていません!

そういったケースがあることも事実ですが、当センターに辿り着いた親御さん達はどの親御さんも子どもに対して非常に愛情深い親御さんが殆どです。

そんな親御さん達が口を揃えておっしゃるのが・・・

親御さん
私の育て方が悪かったんです・・・。

という内容です。

お気持ちもよくわかるのですが、私たちは今まで親御さんが対応されてきた内容はご自身の成育歴やお子さんの様子からそうせざるを得ない状態だったのではないかと思います。

何より、親御さんのこれまでされてきた対応と同じことをしていても学校に行ける子はいます。

例えばですが、親御さんが過干渉対応をされているご家庭でも学校に行く子はいますし、その逆として不登校になる子もいます。

緊張からお腹が痛くなる子でも、学校に行ける子はいますし、不登校になる子もいます。

つまり、親御さんの対応だけで子どもが不登校になるということは考え難いですし、誰しもが不登校になる可能性はあるということです。

不登校にはそうなる「きっかけ」と「原因」とが異なる

支援の中で私たちもたくさんの不登校のケースを見てきました。

それぞれのケースで似ている部分はあるものの、1つとして同じケースはありませんでした。

それだけ「不登校」と言えどひとまとめにすることは難しいのです。

当センターでは、まず不登校の問題に関してはその問題に至った「きっかけ」と「原因」とを分けて考えるところから始めます。

多くの親御さんが陥ることとして、この両者を混同してしまうことによってより問題を複雑化してしまうという傾向にあります。

不登校に至る「きっかけ」とは

不登校に至る「きっかけ」とは、学校をお休みする状態に至る直接の引き金となった出来事を指します。

支援の内容でも多い「きっかけ」としては、

  • 友達とトラブルがあった
  • 先生に怒られた
  • 宿題が出来ていなかった
  • 体調が悪かった

などが挙げられます。

この内容も聞いていると「その年齢のお子さんだとよくありますよね。」という内容もあれば、「それは大変でしたねぇ・・・。」となるような内容もあり、様々です。

また、「きっかけ」がないというケースもあります。

親御さんとしては、子どもが「学校に行けない」等と言うと何かあったのではないかと思い、「きっかけ」探しをされることも多いでしょう。

しかし、そればかりに囚われてしまい結果的に子どもを追い詰めるという流れになるのは避けておきたいところです。

不登校に至る「原因」とは

不登校に至る「原因」とは、大きく分けて2つ挙げられます。

①外的要因

これは、子どもを取り巻く環境(友達関係が悪い・教師との不和・学校の場所や登校経路が長すぎるなど)のことを指します。

②内的要因

これは、本人の生まれ持った特性や性格傾向や自立心、社会性などが学校社会に不適応を起こしてしまっていることを指します。

特に不登校のお子さんに多い性格傾向としては、嫌なことから逃げる選択を取りやすい、完璧主義、我慢力が年相応にない、繊細過ぎる、親御さんへの依頼心が強い、自己肯定感が低い、こだわりが強過ぎる・・・等が見られることが多いでしょう。

どれも悪いという話ではなく、お子さんが苦手としている部分が顕著に出てしまっただけのようにも感じます。

これらの性格傾向等が見られるお子さんは、学校などの社会で生活して行く時にしんどく感じてしまう場面が多いので、結果として「学校嫌だな」という流れに至ってしまうようです。

ここで挙げました外的要因と内的要因は実は複合的に絡み合ったケースが非常に多いです。

例えばですが、友達関係が悪いケースの場合、お話しを詳しくお聞きしていると物事をネガティブに受け取りやすい傾向がみられることもありました。

②の内的要因によってお子さんが不登校状態になってしまっているケースなのであれば、要因を分析しながらその子に合った社会に繋がる場所を見つけていきたいところです。

社会と繋がる場所が見つかればお子さんがそこで適応できる力を身に付けられるよう、ご家庭でサポートしていけるといいように思います。

学校に行けたらゴール、ではない

ここまでお伝えしたように、「不登校」と言えどその状態や背景は様々ですし、そこに至るまでのきっかけや原因も様々です。

環境を変えることで子どもが自ら動き出して復学を果たすケースも中にはありますが、根本的な原因が解決されていないとまた不登校状態になってしまうことは非常に多いです。

しかし、学校に戻ったらそれで終わりだと思われている親御さんは実は少なくないのです。

当センターは復学支援を行っていますが、学校行かせ屋さんではありません。

また、学校がすべてであるとも考えておりません。

今の時代、不登校のお子さんの居場所は増えつつあります。

学校だけに囚われず、お子さんが成長していける社会との繋がりを確保していくことが今の令和の時代に求められる点ではないかと感じます。

ただ、お子さんが学校やフリースクールなどどこかに繋がったとしても、数日行っただけでまた同じようにお休み期間が続くようなら、親御さんとしても「このままでいい」とは思えないでしょう。

復学だけではなく、いずれお子さんが成長していくと社会との接点を作っていかなければ生きていくことは非常に困難であると思われます。

お子さんが大人になってから何か問題に直面した時に困惑してしまうような状態になることを想像すると、親御さんとしても心配だと思います。

今は親元で生活していますので、親御さんがサポートできる環境の中でお子さんが困りながらも乗り越えていける力を身に付けていくことが出来れば安心なのではないかと考えます。

社会で生活していける基盤を家庭内で培っていく

お子さんが学校や社会で生活していける力(社会性や自立心など)を身に付けていくということを家庭内で経験していけると、子ども達は日常的にやっていることですから社会などに出てもそう困惑することは無いように思います。

では、実際にどういった対応が求められるのか?というところが気になりますよね。

何をすればよいという話ではありませんが、意識して対応していきたいのは家庭内と社会とのギャップを埋めていくことでしょう。

家庭内と社会とのギャップはどうしたって生まれてしまうものだと思います。

ただ、ギャップがあり過ぎると違和感を感じるようになりますので、出来るだけギャップを埋めていけるような対応が家庭内で出来るといいでしょう。

例えばですが、家庭では何か困った時にすぐに助けてくれるお父さん・お母さんがいると、子どもも安心できますがすぐに親御さんを頼るような流れが出来てしまうでしょう。

また、親御さんから日常的に「手は洗ったの?」「宿題しなさい!」「こうした方がいいわよ」・・・などと指示や提案が多いご家庭では、お子さんは自分で考えて行動するということをしなくて済みます。

その環境に慣れ親しんでしまったお子さんは、学校や社会に出ると急に「自分で考えて行動しなさい」を求められるようになります。

そうなってしまうと、お子さんが困惑してしまうのも無理はありませんよね・・・🥹

こういったギャップが大きすぎるとお子さんの中で受け止めきれないことは多く、結果的に「学校キライ」「行きたくない」などと言って学校をお休みする流れに至りやすいでしょう。

もし、家庭内が学校や社会とギャップが多過ぎるのであれば、親御さんの対応を変えていくことでお子さんが学校や社会に適応できるような力を培えるような環境を整えていけるといいですよね。

それが私たちが言う

スージー先生
親が学べば子は伸びる。親が変われば子も変わる。

になるのです。

不登校で悩まれる親御さんへ

子どもが産まれた瞬間から、私たちは親になります。

ですが、「こうしたらいい」という方法も様々でどれが正解か分からない中、一生懸命お子さんを育ててこられたことと思います。

お子さんが不登校状態になると、「何がいけなかったの?」「私の育て方のせいかしら?」などと思われる方も少なくないでしょう。

また、周りから心無い言葉に傷つかれたこともあったと思います。

そんな中、当センターに辿り着かれた親御さん方は非常に愛情深い方ばかりで、お子さんの為に何が出来るのかを必死に探しておられます。

今はご自身の子育てに対して自信が持てないことや、自分を責めてしまうようなことも多いかもしれませんが、私たちは親御さんが心から楽しく生活できるような環境を作るお手伝いをしていると思っています。

今のお子さんの年齢まで大切に育ててくださったという事実があるということも忘れないでください。

私も母になり、お母さんの偉大さを身に沁みて感じています。

みなさん、当たり前にされている子育てや家事をこなされているのは素晴らしいことなんですよ😊✨

お子さんのことも大切ですが、親御さんも大切です。

ご自身のことも大切にしてくださるといいなとつくづく思います😌

お子さんが不登校状態になると親御さんまでネガティブな気持ちが溢れてしまい、周りからの優しさも素直に受け取れないなんてこともあるかもしれません。

そんな時は親御さんが疲弊している証拠ですので、誰かを頼るということも検討してみてくださいね。

第三者の客観的な目線で子育てを見直しながら、お子さんにどのような対応が合うのかを改めて考えていきたいと思われる方は当センターにご相談ください。

ご相談はこちらから🌷