そう思われる親御さんもまだいらっしゃるのではないかと思います。
ペアレンツキャンプを立ち上げた頃に比べると、「五月雨登校」というワードを耳にしたり目にしたりすることも増えきているのではないかと感じます。
当時から「五月雨登校」についての問題点などを挙げていましたが、近年は他の支援団体の方も注意勧告する傾向にあるでしょう。
それぐらい「五月雨登校」の時期というのは大事なポイントでもあると言えるのではないでしょうか。
今回は、五月雨登校についてブログ記事を書いていきたいと思います🖊️
目次
五月雨登校とは
五月雨登校というのは、学校に行ったり行かなかったりする状態を示します。
不登校とは違い、何日か休むと学校に行くということが出来ます。
例えば、週に1日だけ休む子もいれば、何日か連続で休むとまた登校するという子もいます。
また、五月雨登校をしているお子さんの中には、遅刻することに対してもあまり気にしないことが多いのも親御さんが気になるポイントのひとつであると言えるでしょう。
不登校の子であれば「遅刻するとみんなにどう思われているのか気になる」「サボっているように見られないか心配」等と考えて、遅刻するぐらいであれば休む選択をします。
ですが、五月雨登校の子は遅刻して行くことに関してはある意味鈍感です。
逞しいと言えば聞こえがいいですが、その反面社会の常識や規範とずれているとも判断出来ますので、心配される親御さんが多いのも事実です。
お休みや遅刻を繰り返しながら登校するのが五月雨登校の特徴とも言えるでしょう。
五月雨登校で多いタイプは3種類
五月雨登校をする子ども達の中でもタイプは分かれます。
- ある特定の理由があって学校をお休みするタイプ
- 怠け心によって休んでしまうタイプ
- お休みする理由が分からないタイプ
この3種類のケースは非常によく見られるタイプであると言えるでしょう。
ある特定の理由があって学校をお休みするタイプ
🔷ある特定の曜日や学校行事だけお休みする
特定の曜日だけ欠席するタイプは、体育が嫌だから、英語が苦手だからなどの理由でそれぞれの教科がある日だけ休んでしまうケースです。
嫌な教科がない日に関しては何事もないように登校します。
また、学校行事が苦手という子はある一定数います。
行事の内容にもよりますが、大勢の前で発表することや学校以外の場所に行くなどが苦手と感じているタイプのお子さんは、学校行事のある日はお休みするということは見られます。
学校行事がある数日前から「運動会嫌だな~」などと言うお子さんはいますので、予兆が見られることもあるかと思います。
🔷先生やお友達とトラブルがあった
先生やお友達というのは子ども自ら決めることが出来ない為、どうしても合う・合わないというのは生じてしまいます。
学校生活の中では集団行動が求められますので、意見の相違などによってトラブルが起こることも珍しくありません。
喧嘩や嫌なことをされた等があると「学校に行きたくないな」と思う気持ちも分かりますよね・・・😭
五月雨登校のお子さんは上記にも挙げたように遅刻や休むハードルが低いことが多いですので、嫌なこと等があるとすぐに学校を休む・遅刻する選択を取りやすいというのも言えるでしょう。
お友達関係だけでなく、担任の先生や各教科との先生との相性などが影響することもあるようです。
先生との関係性に関しては、例えば怒りやすいタイプの先生や異性の先生が苦手ということは挙げられるでしょう。
とは言え、先生や友達を変えるということは難しいですよね😫
怠け心によって休んでしまうタイプ
🔷ある特定の曜日だけお休みする
「学校行きたくないな」「面倒だな」という気持ちは誰しも少なからず持っているでしょう。
そういった怠け心から子どもが勝手に特定の曜日だけをお休みしてしまうということはあります。
お子さんのタイプによって休む曜日は異なりますが、週明け月曜日にお休みするタイプは多いように感じます。
中だるみしてきた水曜日ぐらいにお休みする子もいれば、週最後の金曜日にお休みして勝手に連休にしてしまう子どももいます。
お休みする理由が分からないタイプ
🔷お休みする原因が不明
これは不登校にもつながるお話ですが、学校をお休みする理由が見つからないというお子さんは近年増えてきています。
親御さんとしても何か明確な理由があれば理解できるところもありますが、原因不明となるとどうすることも出来ずモヤモヤされる親御さんも非常に多いです。
学校に行きたくない明確な理由はないものの、なんとなく気分が乗らない、しんどい、体調不良を訴えてみる、など毎日理由を変えて訴えてくるということがあります。
五月雨登校の問題点
不登校に繋がる可能性が高い
五月雨登校の子ども達は勝手に「学校は休んでもいい」と捉えていることが多いと言えます。
嫌なことがあったり、ちょっと体調が悪い時に「学校休みたいな・・・。」と思う気持ちが出てくることはそう珍しい事でも、悪いことでもありません。
しかし、五月雨登校の子ども達は学校に毎日登校出来ている子と比べると、登校に対する意識が低いということも言えるでしょう。
嫌なことやちょっとした体調不良で簡単にお休みする選択をしてしまいがちです。
また、不登校の子ども達に比べると「行こうと思えば行けるし」という感覚を子どもが持っていることが多いのも厄介な点です。
だからこそ親御さんや先生が登校を刺激するような話をしたとしても、五月雨登校をしている子ども本人からすると「行けているし」という感覚に至ることも多いので、五月雨登校をしている現状に対しての問題意識を持ちにくい状態であるとも捉えられます。
学校を休んでいることに対しての認識が低いと、次第にお休みする頻度が増えてしまうということは安易に想像できてしまいますよね。
将来に向けての懸念点が残る
子ども達はいつか私たち大人と同じように社会に羽ばたいていきます。
社会ではストレスがかかることもありますし、自分の思い通りにいかないことや理不尽なこと沢山ありますよね・・・🥹
私たち大人は社会はそう甘くないということを実感しているからこそ、そんなストレスがかかる状態の中でも耐え忍ばなければならないこともあるということを知っています。
社会に出ていく前段階の学校社会で上記のような傾向が強く出てしまうと、当然ながら就職を考えた時に困難な状況に陥るでしょう。
今の時代は昔に比べると様々なことが出来る時代になりました。
そのお陰でいわゆる一般的な就職などを選ばない道も確かにありますが、だからといって簡単であるとは限りません。
多くの場合はいばらの道であることが殆どです。
どの道を選択するのかは子ども自身が決めればよいことですが、親としてはどんな道を選んだとしてもその中で楽しく過ごしてくれればいいなと思うでしょう。
楽しく過ごすのも工夫が必要だと思います。
その工夫が出来るような力は身に付けておいて欲しいなと思いますよね。
五月雨登校の解決策
五月雨登校の解決に関しては、状況によっては不登校の解決よりも難しいケースも多いと考えています。
その為、ここでご紹介するやり方がすべてのケースに当てはまるということはありませんので、ご参考程度にご覧いただければと思います。
子どもの社会性や自主性を育む家庭教育
五月雨登校の子ども達は、前述したように学校をお休みするハードルが低くなっていることが多いです。
ということは、学校という社会に対して不適応を起こしている状態であると分析されます。
学校生活というのは集団で行動することが多いですし、自分の思い通りにいかないことも多く、ストレスの溜まる場と言われれば間違いないでしょう。
ストレスを抱えすぎるタイプのお子さんや、ストレスを上手く処理できないタイプのお子さん、自分の感情のコントロールが苦手なタイプのお子さん、自分の気持ちを上手く相手に伝えることが出来ないタイプのお子さん、自分で考えて行動することが苦手なタイプのお子さん・・・・
などは、学校などの社会で不適応を起こしやすい傾向にあると考えます。
学校に戻る前段階から、家庭内でお子さんが苦手としている点の中でも特に社会性や自主性を育めるような環境に整えてあげると、子どもが自然に身に付けていくことが出来るのではないかと思います。
家庭で社会性や自主性を育めるような環境であると、子どもはそれを当たり前と捉えられるように次第になっていき、学校などの社会でも上手く適応できるような流れを汲むこともできるでしょう。
また、人は誰しも得意・不得意はあります。
人と関わることやコミュニケーションが苦手である子に、上手になれというのは酷な話です。
上手になることを目指すのではなく、本人が社会で生活する時に困っているのであれば(社会的不適応を起こしている状態)それをどう解決していくのかという工夫を家庭内で考えられるような場面があるといいですよね😊✨
今後どうしていくのかを話し合う場
ここは非常に難しい対応になるかと思いますが、大事な点でもあると思います。
子どもの性格傾向やタイプなどによって求められる対応は異なりますが、少しずつステップアップしていく方法がいい子もいれば、目標設定をしっかりしてあげた方が動きやすい子もいます。
少しずつステップアップしていく方法では、子どもが少しずつ着実に前に進めるようなプランを描き、それが出来ていく毎に子どもが自信をつけていくようなイメージを持っていただけるといいかと思います。
描いたプランのようにスムーズに行けばいいのですが、必ずしもそうなるとは限りません。
サポートする親御さん側は出来なかったことを否定したり責めたりするのではなく、次にどうしていけばいいのかなどを子どもと一緒に考えていけるといいかと思います。
また、少しずつ進める方法ではなく明確な目標設定があった方がいいと感じる子どももいます。
明確な目標というのは、例えば「この日からは休む日を〇日以内にする。」や「体調不良以外のお休みは無くす。」などが挙げられるでしょう。
マラソンでもそうですが、ゴールが無いのに走り続けるというのはかなりしんどいでしょう。
ある程度のゴール(目標)があると、それに向けてどうすればよいのかを考えるきっかけにもなります。
これらの内容を、子どもと話す場を設けるには親子関係も大きく影響します。
親の立場が極端に低いご家庭では、いくら親御さんから大事な話をしたとしても子どもは聞く耳を持ちません。
また、話す内容があちこち行ってしまったり、時間を長くかけ過ぎたりすると子ども側の集中力も切れてしまいます。
支援の中でもこの様な大事な話を親御さんから子どもにしていただく場合は、事前に綿密な打ち合わせと準備をしています。
それぐらい慎重に判断をしながら行います。
継続登校のフォロー
ここも子どもによって求められるサポートは変わってくるでしょう。
まず、子どもが学校生活の中で困っていることがあるのであれば、そこのフォローは必要になってくると思います。
例えば、朝起きられなくて困っているということであれば、目覚ましを設定しているのか、親御さんから声をかける必要があるのか、それとも寝る時間を早めた方がよいのか・・・などを考えていきたいですね。
また、勉強面について困っているということであれば、学校の先生にサポートを求めるのも一つですし、家庭学習を取り入れた方がよいのか、それとも塾やかていきょうしなどのプロの力を借りた方がよいのか・・・・などサポートする幅はたくさんあります。
ここで気を付けておきたいポイントとしては、親御さんが勝手に決め過ぎないことでしょう。
子どもが求めているサポートをしてあげたいというのも理由に挙がりますが、それだけでなく自分が困っていることに対してどう解決していけば良いのかという問題解決能力を養う練習にもなるからです。
子ども自身が自分で考えることによって、またそれを実践することでその結果を子ども達は見ることが出来ます。
そうやって「これは上手くいったな。」「これ、全然ダメだったな・・・。」という経験値を味わうことが出来るでしょう。
まとめ
五月雨登校は不登校の枠内に分類されるため、世間的な見方としてはマイナスに受け取られがちです。
しかし、五月雨登校というのもマイナスなことばかりではないということは改めてお伝えしておきたいところです。
と言うのも、子どもが学校で抱えるストレスに対してストレスがある日は避けているとも捉えられるからです。
ストレスが蓄積され過ぎると爆発してしまうということも考えられますので、負担を上手に避けている、自分のキャパシティーを把握しているという捉え方も出来ますよね😊
また、それだけでなく今の世の中の風潮として昔よりも“学校を休む”という選択肢を子ども自身が持ちやすい環境にあるとも言えます。
そんな中、「学校は絶対行かないといけないだろう!」という発言ばかりをし親御さんが無理矢理押し付けるという対応は子どもも違和感を持ちやすいと思います。
今の時代の背景なども配慮しながら子ども達と向き合っていく必要はあるでしょうね。
例えばですが、子どもが五月雨登校という状態になっていることで落ち込み過ぎている、引け目に感じすぎている、または家のルールも守れなくなっている、暴力的になってきている・・・・というようなマイナスな面が大きくなっているのであれば、現状のままではいいとは言い難いですので考えていかなければいけないでしょう。
とは言え、昔よりも親御さんが子どもの将来を考える時に、選択肢が多すぎるあまり迷われる傾向が非常に増えました。
そう迷われている親御さんは本当にたくさんいらっしゃいます。
なかなか答えが出ないという時は、一度専門家にご相談されることもご検討くださいね。
当センターだけでなく無料でご相談できるところは増えてきています。
そういった場を活用されるのも一つかと思います。
お一人で悩み過ぎないようにしてくださいね。