ブログでご紹介できるのは一つの事例となりますので、より詳しく知りたいという方は下記リンクにある「親御さんからの手紙」をご覧ください。
「親御さんからの手紙」では実際、支援を受けられ支援をご卒業された親御さんからいただいたお手紙を掲載しています。お手紙の内容は支援を受けて家庭がどう変わっていったのか、子どもがどう成長したのか、支援中の親御さんのお気持ちなど、記してくださっています。
みなさん、こんにちは❗
どんきー先生です✨
復学支援コースで支援を受けられて実際に復学することができた事例をご紹介いたします。
目次
小学3年生 男の子 完全不登校
お子さんの不登校中の状態
お子さんが不登校になってから3ヶ月ほど経った段階で、親御さんからペアレンツキャンプにお問い合わせをいただきました。
お子さんの不登校中の状態をお聞きすると、
・前日登校の準備はし、朝、登校しようとするが玄関で固まり動けない日が続く
・休んだ日でも宿題をしていたが徐々にやらなくなる
・登校の準備も手を付けなくなる
・朝、登校しようともしなくなる
・家のルール(ゲームのルールなど)を守らなくなる
・一人で留守番することを嫌がるようになる
・何をするにもママ!と呼びつけ、すぐに行かないと癇癪を起こす
・一人で寝れていたのに、ママと一緒じゃないと寝れなくなる
・ママの胸を触ったり、赤ちゃんのような行動が増える
というような状態でした。
いわゆる、母子密着の状態が顕著に見られました。
不登t校になる前はこのような行動はほぼ見られず、どちらかというとしっかり者だったと親御さんは仰っていました。
不登校になったきっかけと原因
不登校になったきっかけについてお聞きすると、ある日の朝、
「宿題をやり忘れた。先生に怒られるかもしれないから学校行けない」と言い始めたそうです。
そこから「行かない、無理」を連呼しテコでも動かず。
親御さんは学校の先生に連絡して先生から「宿題できていなくてもいいからおいで」と言われたことを伝えても動けず。
そのままその日はお休みしたそうです。
その次の日から「学校怖い、、」と言い始め、行かなきゃと準備はするけど動けないという日々が始まったようです。
学校の先生は本人が言うような宿題ができてないからと怒るような先生ではなかったようです。ただ、他の児童が先生に注意を受けている姿を見たことがあるらしく、そこから自分も怒られるかもしれないと想像してしまったのではないかと親御さんは仰っていました。
このケースではしっかり者と思っていたお子さんは実は失敗を恐れるが余り、しっかりやらなきゃと頑張り続けていて、本人にとって学校生活はギリギリの中で過ごしていたのだと思います。
それがある日宿題をやり忘れたことがキッカケになり、ストレスのキャパシティがオーバーしてしまい不登校になったというケースであると見受けられました。
家庭教育に対する支援を開始
支援計画としてはまず学校社会で受けるストレスに対して最低限の耐性をつけるためのソーシャルスキルを家庭内で身に付けるための家庭教育をコンサルティングし、復学のためにダイレクトアプローチによるアウトリーチ型支援をし、復学と継続登校を支えていくという計画を立て支援を始めました。
家庭教育のコンサルティングでは、まず親子のコミュニケーションから見直しました。
しっかり者と思われていたお子さんですが、家庭内では親からの指示、提案があってそれに従って行動していたようでした。学校社会では先生がすべての行動を指示してくれるわけではないので、指示がないことで戸惑いを覚えていたように見受けられました。まずは親御さんにこの指示や提案を極力避けるようなコミュニケーションを取ってもらいました。
また、指示や提案の多いコミュニケーションになっていたっことで子どもの話をじっくり聴くという機会も少なかったように見受けられました。ですので、子どもの話を受容共感的に聴くというコミュニケーションに変えていきました。
そのうえで、ゲームなどのルールを見直し、子どもも親も守りやすいルールに変え、親が管理し過ぎないルールへと変更しました。
こうすることで、子どもからの発信が増え、親御さんが聴く姿勢を取ることで親子のコミュニケーションが円滑にとれるようになっていきました。
また、ルールをお互いに守りやすいルールにしたことで、親が子を管理し過ぎることもなくなり、子ども側が自らルールを守って生活できるようになっていきました。
親子のコミュニケーションが円滑になり、子どもが自らルールを守るという状態になることで、子ども自身が主体的に考え行動することも増え、母子密着状態だった状況が改善されていきました。
状況が改善されていくことで、子どもから「そろそろ学校行かないとな」という発言も見られるようになってきました。とはいえ、実際に学校に行くとなるとやはり身動きがとれないというような状況でした。
ダイレクトアプローチによるアウトリーチ型支援の導入
この状況から復学するには外部のサポートが必要と判断し、ダイレクトアプローチによるアウトリーチ型の支援を進めていきました。
ダイレクトアプローチではお子さんを直接サポートするためにカウンセラーがおうちに伺い支援を進めます。
訪問カウンセラーの導入
まずは訪問カウンセラーを導入し、子どもとの信頼関係を構築していくことから始めました。
子どもとの信頼関係を構築するために私たちが取る方法は「子どもの好きな遊びで一緒に遊ぶ」ことです。
事前に子どもの好きな遊びを親御さんに確認し、その遊びを持ってお家に訪問します。
このケースではawitchが好きということを確認していましたので、まずは子どもとswitchで一緒に遊び信頼関係を構築していきました。
最初にお家に伺ってからだいたい週に1回から2回ほど通い一緒に遊ぶことで、だんだん信頼関係が構築されてきました。
遊びの中で最初は遠慮していたお子さんも回数を重ねるにつれて、お子さんの素の部分が表れ始め、遠慮しなくなってきていることが見られました。素を見せるということはそれだけ心を許している証拠とも言えます。
このように信頼関係が構築されてきたことを確認し、次は復学に向けて登校に向けての意志確認していくことになりました。
登校刺激
訪問カウンセラーとの信頼関係は構築されました。
次の段階として「登校意志」の確認をする必要があります。
ただ、ここまで信頼関係を構築しているカウンセラーが意志を確認すると子ども目線から見るといつも楽しく過ごしてきたのに急になんだ?と不信感を抱く可能性があります。
ですので、登校の意志を確認するカウンセラーは別の人間が対応し、確認することにしました。
本人に確認すると「学校には行かなきゃな・・」という思いはありました。
「行けば友達に会える。でも、怖い・・・」という感覚を持っていたようです。
その意志が確認できた時点で今まで信頼関係を構築してきたカウンセラーと一緒に復学に向けて準備していくと決めまいた。
復学及び継続登校
訪問カウンセラーがおうちに初めて伺ってから信頼関係の構築に約2ヶ月、復学準備を初めて約1ヶ月ほど準備を進め、学校の先生方のご協力もあり、復学を果たすことができました。
復学後も訪問カウンセラーが継続登校もサポートを続け、家庭教育も今度は学校に行き続けている子への教育についてコンサルティングしながら、支援を進め、支援を始めて約1年半後に支援をご卒業されました。
ご卒業されるころにはお子さんは自信を持って学校生活を過ごし、家庭内でも円滑なコミュニケーションが取れ、悩み事や不安なことがあってもそれを一つ一つ家庭内で向き合い乗り越えていくことができるようになっていました。
お子さんも家庭も自立することができた証拠と言えると思います。
このように私たちは復学支援の中で家庭も子どもも自立することを目指して支援しています。
復学がゴールではなく、復学はあくまで子が自立するために必要な一つの手段だと捉えています。
このケースでは、家庭の対応が変わることで子どもが社会に出て最低限生活できるだろうソーシャルスキルは不登校中でも身に付けられました。しかし、そのまま不登校を続けていたらどうなっていたかはわからなかったと思います。復学していなければ、身に付けたソーシャルスキルを活かすことができず、家庭内でふさぎ込んでしまっていたかもしれません。不登校すべてが復学すべきということではありません。ただ、復学することが救いになる家庭や子どもがいることを皆さんに知っていただければと思います。