家庭教育支援の中で子どもとのコミュニケーションがうまく取れないというご相談を良くお受けします。
当センターでは家庭内での会話を家庭ノートチェック法を用いて細かく分析しています。
多くの家庭を分析している中で、コミュニケーションがうまく取れていない家庭の会話で多く見受けられるケースとしては、子どもに対して求められていないアドバイスをすることが多いということです。
親御さんとしては子どものことが心配で、つい気になって言ってしまった…ということが多いのではないかと思います。お気持ちはよくわかるのですが、私たち大人でも正直アドバイスよりもただ話を聞いてほしかっただけなのに…という瞬間はありませんか⁉️
相手が正論を言っているのは分かるし、自分でもそうは思っているんだけどなんかモヤモヤする…ということはよくあるのではないかと思います。
そんな家庭内でのコミュニケーション術についてケースごとに解説していきます!
目次
会話例(ケース1)
求められていないアドバイスばかりの会話例
一般的にありそうな会社の同僚との会話でまずは考えてみましょう。
ご飯はバランス良くとって、決められた時間に食べる癖をつけたらいいと思うよ。
仕事だってAの要領が悪いんじゃないの?しんどいんなら上司に相談してみれば?
いかがでしょうか?
会話を見ているとBさんはAさんの気持ちを汲むというよりも、Aさんの良くないところに対して指摘だけするというような会話になっています。
相手がアドバイスを求めているならいいとは思いますが、そうでなければ口うるさく感じてしまうでしょう。これが友人や職場の人相手であれば大人なのでぐっと堪えることも出来るかもしれません。ただ、こういう会話ばかりになると今のご時世なにかのハラスメントにもなりかねません💦
気持ちを汲むことのできている会話例
では、BさんはどのようにAさんのお話しを聴いてあげると良かったのでしょうか?
いかがでしょうか?
Bさんがうまく相手の気持ちを汲みながら聴くことができていますね。
Aさんの気持ちを汲んで聴いてあげることでこちらがあれこれ質問しなくてもBさんの発信が自ずと増えています。
このように相手の気持ちを汲んで話を聴くという対話法を「アクティブリスニング(傾聴法)」といいます。
では、アクティブリスニングとはどういう対話法なのか解説します。
アクティブリスニング(傾聴法)
アクティブリスニングとは
相手の話を能動的に聴くことによって相手を支え、結果的に相手の心の成長を促したり、気づきを与えたりする対話法。
とされています。
具体的な対応法としては
といった方法で相手の話を聴きます。
注意点としては、ただ単に相手の言ったことを繰り返すだけではオウム返しのようになり、相手が「真剣に聴いてくれていない」と感じてしまう恐れがあります。
一番は「聴こう聴こう」とする姿勢が大切です。
では、このアクティブリスニングを家庭でどう活かしてコミュニケーションをとればよいのかケースごとに見ていきましょう。
会話例(ケース2)
求められていないアドバイスになっている会話(小学生編)
求められていないアドバイスをしてしまうことで子どもからの反発を招いてしまっています💦
では、アクティブリスニングを用いるとどのような会話になるでしょうか?
アクティブリスニングを用いた会話
(相手の言ったことを繰り返す)
(要約)
(共感的に理解する)
いかがでしょうか?
相手の話をしっかり「聴く」ことで子どもからの反発を招くことなくコミュニケーションが取れていますよね。
このようにうまくいくかは子どもの性格や特性などにもよって異なりますが、アクティブリスニングとは相手自身の気持ちに寄り添い、相手が抱えている不安や問題を相手自身に考えさせることに主眼を置く対話テクニックです。
では、もう一つケースを見てみましょう。
会話例(ケース3)
求められていないアドバイスになっている会話(中学生)
見直しちゃんとしたか⁉️
と最後には親の信頼をなくすような事態になりかねません💦
では、アクティブリスニングだとどのような聴き方になるでしょうか?
アクティブリスニングを用いた会話
(相手の言うことを繰り返す)
(要約)
(相手の気持ちを汲む)
(共感的に理解する)
というように子どもの話を「聴こう」という姿勢を見せることでコミュニケーションが円滑に取れるばかりではなく、話し手の考えがうまくまとまるという効果も得られます。
アクティブリスニングを活用することは子どもとの会話だけではなく、対人のコミュニケーション全般に活用することで上手に相手の話を聴くことができます。
まとめ
子どもに求められていないアドバイスをされがちなご家庭では親御さんからの発信が中心で、子どもからの発信が少なくなっている場合が多いと言えるでしょう。
何かあった時には自分から発信してくるという経験を子どもにはさせていきたいところです。
そのためには親が話を聴いてくれるという家庭環境がまずは必要となってきます。
また、学校や社会では自分で考えて対処していかないといけない場面が数多くあります。日頃、家庭で自己発信する経験が家庭内でできないでいると、学校や社会で違和感を感じてしまう理由になることも考えられます。
また親御さん主導の会話や、自分の気持ちを受け止めてもらえないことに子どもが慣れてしまうと、「親に何を言っても聞いてくれない」と認識して、大事なことを相談してきてくれなくなる可能性もありますね😰
子どもの言ったことを受け止めないということは子どものことを否定していることにもなってしまうので、気を付けていきたいところです。
子どもはアドバイスを求めているだけではなく、「ちょっと愚痴りたい」というときや「ちょっと聴いてほしい」というときもあります。
そんなときはアクティブリスニングを活用して共感的に聴いてあげると子どもとのコミュニケーションがうまくいくこともあるかもしれませんね。
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レオ先生🦁