不登校支援の現場では毎年その時々の情勢の影響などはあるものの、一貫して夏休み明けのご相談数が非常に多いです。
“不登校”と言えどそれぞれのケースによって内容が違います。
今回は夏休み明けからお休みしてしまう子ども達を幾つか例を挙げてみたいと思います😊
「うちの子に当てはまる!」や「似ているかも」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
そのような方は是非一度専門家にご相談してみるということも検討してみてくださいね
目次
みなさん、こんにちは😄スージー先生です🙋♀️
不登校の捉え方も昔と比べると随分変わってきましたし、不登校であってもフリースクールや教育支援センターなどの選択肢が増えたというのが慎重に判断される方が増えた要因の一つであるとも言えるでしょう。
長期休み明けは登校のハードルが高い
子ども達だけでなく私たち大人も、1ヵ月程仕事を休むと次の出社日に
なんて思うことはありますよね・・・🥹
そう思う所以としては、
✅身体が鈍ってしまっている
✅仕事場の感覚を忘れてしまっている
✅休み明けで気が乗らない
✅人間関係が面倒
などが挙げられます。
学校をお休みしている間、学校のことを考えて学校生活と同じような生活を意識して過ごしている子どもも少ないでしょう。その為、このような流れになることは仕方ないかと思われます。
何も長期休みの期間中も学校を意識して生活しましょうという話ではなく、上記に挙げたような流れというのはそう不自然ではないということは理解していただけるのではないかと思います。
特に中学生にもなると夏休み明けすぐにテストがあるという学校も多く、そのテストで思うようなパフォーマンスが出来ない・受けたくないという理由からお休みに入ってしまうケースもあります。
夏休み前の学校生活で、子どもが「なんか合わないな」や「不安だな」などとネガティブな感情を抱きやすい状態だった場合、その感情を思い出してしまい始業式の日に身体が動かなくなってしまうという
こともあります。
私たち大人から見ていると「ただ行けばいいじゃない、それだけでいいんだよ。」と思うかもしれません。
しかし、夏休み明けというのは登校に対してのハードルが上がってしまう傾向にあります。
子どもの気持ちになって考えてみると“確かに不安だよね”という部分は多いのです。
子どもの気持ちに寄り添ってあげられると、子どもも自分の気持ちが整理されることもあります☺️
夏休みの宿題が出来ていない
学校が行けない理由として夏休みの宿題を挙げる子どもは非常に多いでしょう。
学校によって宿題の量などは違いますが、まだまだ全国的に見ても夏休みの宿題の量は多いように感じます。
宿題の内容も多岐に渡るものが多く、すべての宿題を確認できておらず夏休み最終日に「そんな宿題あったっけ?」なんて言うお子さんもいます。
まとまった宿題を出されたときにどうこなしていくのかという部分が分かっていない子ども達は、手を出す前から「できるわけない」や「終わる気がしない」などと諦めてしまうことも多いものです。
そう思う気持ちも分かりますが、親としてはそれを認め「宿題しなくてもいいよ」という流れにはなりにくいですよね・・・😫
宿題が出来ないことを理由にする子どもの傾向
宿題が出来ていないことが理由で学校をお休みするタイプのお子さんは、完璧主義傾向があると分析されます。
完璧主義傾向というと“何でも完璧にこなす子”と捉える方がいますが、そうではありません。
すべてのことを完璧にこなす子というのは珍しく“完璧にこなさないと気になるのに出来ない”ということの方が多いでしょう。
こういった傾向のあるお子さんはプライドが高く、理想が高い傾向も見られます。
「こうでありたい」「こうあるべきだ」という考えがあるものの、現実の自分の行動はそれに見合わず理想と現実との間にギャップが大きいという状態になると、自信を無くしてしまい何も手につかないという流れに至ってしまうこともあります。
この様なタイプのお子さんは、「まぁ、いっか。」「こういう時もあるよね。」というような上手い割り切りや、気持ちの切り替えが上手になってくると変わってくる部分もあるでしょう。
生活リズムが崩れて起きられない
学校がお休みになると、習い事やお友達と遊ぶ・家族でお出かけなどの予定がない場合は、子ども達からするとそうやることがない場合も多いでしょう。
やることがないと“朝起きる理由がない”と捉える子も多く、規則正しい生活をする理由がなくなってしまうことはよくある話です。
また、子ども達にとっての娯楽であるテレビやYouTube、ゲームなどを使用している時間が長くなったり、どんどん遅くなったりしてしまうと徐々に生活リズムがズレてくるでしょう。
1日も外に出ず家でもテレビやゲーム三昧という生活が悪いわけではありませんが、そういう生活では夜もいつもの時間に眠たくならないという流れになってしまうのも頷けます。
生活リズムが崩れてしまうと、それを立て直すのは時間も根気も必要になってきます。
ルールを作り時間をコントロールする
雁字搦めのルール作りはおすすめしませんが、子どもが自分で律することのできる“自律”が出来ないということであれば、電子機器類の使用時間をルール化するということはあってもいいかもしれませんね。
その際、子どもも守れるルールにしておきたいですし、親御さんが管理できる内容であるかというところは注意していただきたいところです。
多少の生活リズムが崩れることは夏休み中ということを考えるとあることだと捉えておいた方がよいでしょう。
ただ、あまりにもという状態になるのであれば、始業式までの間に少しずつ調整できるような環境があるといいですよね。
親御さんだけが「こうしよう!」と決めてしまうと、子ども側はやらされた感しか残らないことが多いので、子どもに“どうすればいいか”という部分を考えさせていったり、一緒に考えていけるといいでしょう😊
夏休み前から登校が不安定
休む選択がしやすい状態になっている
夏休み前から登校が不安定になっているお子さんからすると、何か嫌なこと・不安なことがあると選択肢のひとつに“学校を休むこと”が入るようになります。
お休みできた経験のある子どもは、何かあった時に休むという選択肢が常にあると捉えてよいかと思います。
どの選択をするのかというのは、その時々の環境や子どもの状態などによっても変わりますが、「休んでもいい」という選択肢がある子にとっては、学校をお休みするハードルは低いと言えるでしょう。
既に社会の流れとしては不登校であることが悪いという風潮もなくなりましたし、学校を休むことがあってもいいという流れになっています。
つまり、昔ほど休む選択のハードルが低くなっているということは、子ども達にとって学校を休む選択肢が常に付いて回ると捉えておきたいところです。
休む理由があり、解決していない状態
また、夏休み前から登校が不安定であったということは、子どもが何かしら学校に行きたくない理由があったと判断が出来るかと思います。
その理由がどこにあるのかは子どもによって異なりますが、解決していない場合は気にしてしまって学校に行けなくなるということは安易に想像さます。
個々のケースによってお休みする理由も違えば、その解決策も違うのでどう対応するべきかという部分は悩まれるところでしょう。
ただ、問題が解決されない状態だと「学校に行きたい」と本音で思っている子ども達でも実際は学校に向かうという行動に繋がり難いということは、よくある話です。
子ども達が抱えている問題の内容にもよりますが、学校の先生などに相談して解決できるものがあるのであれば対応してあげるのもひとつかと思われます。
ただ、どうしても心理的な部分はすべて解決できるということは無いように思います。
ある程度子ども自身が気持ちを奮い立たせて向き合っていかなければ解決しないこともあります。
気持ちの切り替えが苦手だと感じている子どもも多いですので、どうやってネガティブな感情と向き合うのかという部分は親御さんも一緒に相談に乗ってあげるといいかもしれません。
まとめ
これまでにお話したように、約1ヵ月という長い期間のお休みは子ども達にとって嬉しい反面、休み明けの登校のハードルは非常に高くなる傾向にあります。
登校がこれまで安定していたお子さんであっても、宿題が終わっていない・生活リズムがズレている・・・という状態が学校に行き難くなることもあります。
つまり、不登校という状態はどのお子さんにも当てはまる可能性はあり、それだけこの夏休み明けという時期はどのお子さんにとっても危険な時期と言えるでしょう。
学校をお休みする理由は様々ですが、それらの理由をそのままにしておくと更に登校に繋がり難くなるということは考えられます。
子ども自身で解決できない事なのであれば、親御さんが相談に乗ってあげることも大事です。
近年、不登校の対応は世間的に「待ちましょう」という姿勢が多いですが、待つことが必要なケースもあれば待つことで余計に状況が悪化してしまうケースもあります。
どの対応がよいかというのは、それぞれのケースによって異なります。
お子さんやご家族の傾向をしっかり分析した上で、必要なサポートをしていくことが肝要であると言えるでしょう。
判断に迷われる際は、私たちペアレンツキャンプのような専門家にご相談することをおすすめします。
スージー先生🙋♀️