ペアレンツキャンプは設立14年となり、この間にも多くの子育てに悩む親御さんや不登校の子ども達を見てきました。
時代は移りゆくもので、子ども達の傾向も少しずつですが変わってきています。
今回は近年の子ども達の様子を訪問カウンセラーという立場からお話しできればと思います
目次
みなさん、こんにちは😊スージー先生です!
さて、今回は訪問カウンセラーという立場から見る“子どもたちの変化”について記事を書きたいと思います✍️
子ども達の好きなゲーム事情
子どもとの信頼関係を築くためにゲームなどを活用
多くは白衣を着たカウンセラーがいるカウンセリングルームに赴き、箱庭療法などを受けることをイメージされる方も多いのではないでしょうか。
私たちペアレンツキャンプの訪問カウンセリングは、直接子どものお家に訪問カウンセラーが伺い復学への準備や個々に合わせたサポートを行いながらカウンセリングをしています。
ペアレンツキャンプの訪問カウンセラーは、子どもとラポール(信頼関係)を形成する手段のひとつとして、子どもの好きなゲームや漫画やアニメなどを活用します。
ゲームや漫画やアニメやアイドルなど、子ども達の好きなジャンルを事前に親御さんからヒアリングし、訪問カウンセラーはそれを元に情報収集をします。
その上で、子ども達と仲良くなるためのツールとしてゲームをすることも多く、ただ会話をするだけよりも子ども達との関係性を築きやすいと感じています。
近年ではこの手法を他の支援機関でも取り入れることが増えてきました。
ゲームにも流行りがある
ゲームの世界にも時代とともに流行りがあるものです😄
一昔前は、ゲームや漫画なども主人公が弱くその主人公をコツコツ戦いやトレーニングなどをして強くしていくという内容が多かったように思います。
しかし、近年のゲームや漫画などは最初から無敵モードであることが多いように感じます。
こういったところも少しずつですが時代に合わせて変わってきているのかなという気はします。
そしてゲームの好き嫌い、得意不得意はあるものの、近年は1人でプレイするオンラインゲームが流行っているように感じます🎮
オンラインでコンテンツを簡単に入手できるゲームは、コロナ禍の自粛モードの際に更に拡大していった風潮はあるでしょう。
また、現場でもSwitchが出た当初はSwitchを使いながら子どもと訪問カウンセラーが一緒に遊ぶということが主流でしたが、近年では子ども達の好むゲームがプレステーションやPCなどで一人プレイするもが主流となってきているように感じます。
そうなると、私たち訪問カウンセラーと一緒にプレイするというよりもオンライン上の誰かと一緒にプレイすることが多くなっている印象を受けます。
不登校中であっても、ゲームを通じてオンライン上に友達を作る子ども達も増えています。
「学校には友達はいないけれども、オンライン上には友達は居るよ。」と言う子もいました。
オンラインと対面とのコミュニケーションの取り方の違い
オンラインコミュニケーション
オンラインでのコミュニケーションでは・・・
✅顔を見せなくてもよい
✅不登校であるという事実を相手に伝える必要はない
✅同じ立場の人が集まりやすい
というメリットはあるように思います。
不登校であることに引け目を感じている子ども達は多いですので、そういう子どもからするとオンライン上で相手が見えないという状況は逆に好都合ともいえるのかもしれませんね😄
また、ゲームのプレイ時間によっては同じ不登校を経験している子どもと繋がることもあるでしょう。
同じ境遇の仲間というのは打ち解けやすいものですから、更にゲーム時間が増えてしまうということに繋がってしまうのかもしれません。
実際、不登校支援の現場では子どもがオンライン上で友達を作るというケースは非常に増えています。
対面コミュニケーション
一方、対面でのコミュニケーションでは・・・
☑️お互いに顔を見て話が出来る
☑️ノンバーバル(非言語)コミュニケーションからも情報を得られやすい
☑️その場の雰囲気が伝わりやすい
などのメリットが挙げられるでしょう。
言葉以外の部分での情報も多く、それを察知しなければいけないとも言えるかと思います。
周りの目を気にし過ぎてしまう子や雰囲気などを読み取るのが苦手と感じている子ども達からすると、しんどく感じることも多いようにも見受けられます。
これは私たち大人の世界でもあることですが、視線や表情などから相手の感情や考えを汲み取る際に上手く伝わらないということもありますよね。
勘違いやこちらの受け取り違いや誤解などもあるかと思います。
こういったことはやはり子ども達の世界でもあり、お互いに直接話せると誤解や勘違いも解けるのですが、勝手に思い込んで決めつけてしまうと上手くコミュニケーションも取り難い状態となってしまうでしょう。
コミュニケーションの違いから見えてくるもの
この様にコミュニケーション一つをとっても、オンライン上と対面とでは少し異なってくるのです。
オンライン上のコミュニケーションは問題ないという子どもも、いざ対面で友達や先生と会ってコミュニケーションを取ろうと思っても苦手意識を持ってしまうお子さんも少なくありません。
オンラインと対面それぞれのコミュニケーションにおいてメリットはありますが、不登校を経験している子ども達にとっては一定の期間会わなかった友達や先生とどのように話せばいいのか分からないと感じている子も多いものです。
それまで仲良く遊んでいた友達であっても会わない期間が長くなればなるほどその不安感は募るようです。
私たち大人からすると「最初は緊張するだけなんだから会えばいいじゃない」などと思うかもしれません。
おっしゃる通りかもしれませんが、その一歩が子ども達にとっては非常にハードルが高いということは理解して対応してあげたいところです。
不登校の子ども達が抱える問題
上記にも挙げましたように、オンライン上と対面とではコミュニケーションの取り方が少し違います。
その為、不登校中にオンライン上にたくさんのお友達が居る子どもであっても、学校という社会に復帰する時にはこれまでのコミュニケーションの取り方では上手くいかないということが出てきます。
不登校であったことを周りに知られている
また、これまで在籍していた学校に復学する場合は、子どもが不登校であることをクラスのみんなが知っていることの方が多いでしょう。
事前情報として“不登校だった”ということが伝わっていると、その点に関して聞いてくるお友達もいますので、そこが復学を目指す子どもからすれば「嫌だな」と感じやすい要因の一つでもあります。
“不登校だった”ということに対して何ら恥じる必要はありませんが、当人としては引け目を感じている子が多のも事実です。
良くも悪くも子どもは素直ですので、「何で学校来てなかったの?」「休んで何してたの?」と気になると本人に聞いてしまうということは残念ながらあります。
不登校だった時のことを「体調が悪かったんだよね。」などと上手く理由を作って返事することができる子であれば問題なのかもしれませんが、そう上手く返事が出来ないことは容易に想像できるでしょう。
周りからどう思われているかを気にする子が多い
そして、対面で話をする際に“相手の目を見て話をする”ということが当たり前のように求められることですが、対面でのコミュニケーションに慣れていない子ども達は相手の目線が気になってしまうということはよくある話です。
目線だけでなく、自分がどう思われているのかという部分も気になるポイントのように感じます。
周りの目を気にしてしまうが為に、「何と言ったらいいのか分からない」「相手の顔を見ることが出来ない」などと思う子も多いようです。
誰しも相手が自分のことをどう思っているのかという点は気になるものでしょう。
その点を気にすることは自然だと思いますが、気にするがあまり動けないという状態になるのは少しもったいない気もしますよね。
動けない子どもに対してあれこれ言うのは大変ですし、子どももしんどく感じるでしょう。
ですので、家庭内などで子どもが自然に対面でのコミュニケーションの練習が出来る環境を整えてあげられると良いのではないかと考えます。
練習の場を与えてあげることも大切
家族だからこそ分かる話し方
対面でのコミュニケーションの経験が少ない子でも、親御さんとのコミュニケーションは問題ないという場合も多いです。
親だからこそ子ども達も甘えられますし、安心して話すことも出来るのでしょう。
また、親だからこそ子どもがすべてを話さなくとも何を言いたいのかが分かることも多いと思います。
その為、ご家庭では子ども側が発信する言葉が“言葉足らず”であることが多いのも現状です。
こそあど言葉や主語抜けといった言葉足らずな発言であっても、家族間であれば優に伝わります。
しかし、学校では先生や同年代のお友達に同じように伝えたとしても、上手く伝わらないことの方が多かったりするものです。
こういった些細な家庭との違いから子どもは違和感に感じ、不安や恐怖に繋がるのです。
それらの不安や恐怖が積み重なっていくと漠然と「学校嫌だな」という捉え方になってしまうことも多いので、そうならないようにしていけるとよいかと思います。
学校などの社会でも通用するコミュニケーションを意識する
子どもが言葉足らずな発言をしたとしても、親御さんであれば子どもが何を伝えたいのか手に取るように分かるでしょう。
そういった時にあえて親御さんが分からないフリをして「それってどういうこと?」などと聞いてみるのもひとつでしょう。
「その言い方だと伝わらないよ」ということを子どもに伝えていくと、子どもも伝え方を変えて上手になってくるかもしれません。
また、病院や歯医者などに子どもと行く際に子どもの症状などをすべて親御さんが答えてしまうということはそう珍しくないかと思います。
診察する医師を待たせるのは悪いなというお気持ちから、医師などから質問されると親御さんが返答するということはよくあることです。
確かに時間や効率などを考えると親御さんが答える方が早いですし、的確に答えられるでしょう。
しかし、子どもの年齢が上がってくるとその場を子どもに経験させていく場として行くことも考えていきたいものです。
親御さんと一緒に診察を受ける今だからこそ、子ども達が失敗したとしても親御さんがすぐにフォローしてあげられます。
何でもそうですが、失敗することが決して悪いわけではありません。
そこから「次、どうしたらいいのか?」を考えていけば糧となります。
自分のことは自分で出来るようになっていって欲しいですし、大人になってから急に一人で診察を受けるという流れになると子ども達も戸惑ってしまうでしょう。
今から少しずつで構いませんので、子ども達にも直接コミュニケーションを取れる場があるのであれば、そこを活用していくことも検討していきたいものですね
復学を目指すのであればその先も視野に入れて対応を
これまでお伝えしてきたように、復学をするにしてもお子さん自身が学校生活の中でのコミュニケーションが取れなければすぐにまた学校をお休みしてしまうということにも繋がってしまうでしょう。
学校に行けば担任の先生や教科担当の先生、クラスメイトに同学年のお友達、先輩や後輩・・・とコミュニケーションを取らなければいけない状況は多々あります。
復学をしたからそれで終わりではなく、復学をした後の継続登校のステージが一番大事であると考えます。
勇気を振り絞って学校に行けても、その後登校が続かなければ子どもも自信を無くしてしまうでしょう。
多少のお休みはあったとしても、そのお休みが続かないように意識していけるといいですよね。
その手段のひとつとして、対面でのコミュニケーションを意識して家庭内で対応していくことが子ども達にとっても大事な経験となるでしょう。
何でも始めからすべて上手くできるとは限りません。
むしろ知らないこと・経験したことがないことの方が多いでしょうから、失敗して当然かと思います。
少しずつ子どものスピードで構いませんので、対面でのコミュニケーションも感覚を得ていってくれればなと思います。
現場目線での子ども達の変化を書いてみました✍️
何かの参考になればと思います😊
それでは、また次回のブログ記事でお会いしましょう💕
スージー先生🙋♀️